8/22 専門コース合同説明会

専門コース入学をご検討の方向けに合同オープンスクールを開催いたします。 
高校生をはじめ、専門学生、大学生、社会人の方など多くの方にお申し込みいただけます。授業内容や学生作品、施設の雰囲気などご自身の目で確かめる機会としてご活用ください。ご参加お待ちしています。

[開催日時] 8月22日(土)13:00-
[予約締切日] 8月18日(火)
[募 集 定 員]  6名(付き添いの方は除く)
※事前予約制・個別対応ではなく合同での案内となります
※予約枠が埋まり次第、募集を締め切らせていただきます


 

【プログラム
13:00- スクール・カリキュラム説明
14:30- コースター織り体験 *1
15:20- 施設案内(アトリエ・ドミトリー)
16:00- 個別相談(希望者のみ)
-終了次第解散

*時間は前後する場合があります。余裕を持って予定をお組みください
*13:00前に受付をお済ませください

 


スクール・カリキュラム説明】
教室でスライドや学生の作品を見ながら、スクールのシステムや授業内容の説明を行います。

来校前にスクールよりお送りします「コース説明編」・「事務手続き編」の動画を事前にご覧になられる事をお勧めいたします。

【コースター織り・仕上げ体験】
織り体験は、ウールのコースターを織った後に、ご自身で縮絨作業を行って仕上げてお持ち帰りいただきます。
*1 織り体験は申込者1名のみとさせていただきます。
*画像はイメージです。色等は選べません。

【施設案内】
アトリエとドミトリー(寮)施設を順にご案内します。
*専門コース学生は土曜休校日につき授業は行っていません。

個別相談】
希望者の方は、さまざまなご質問、ご相談に担当者が個別でご説明します。


【アクセス】
・駅、バス停からの所要時間は徒歩約10分です。
・駐車場もございます。
https://www.kawashima-textile-school.jp/access.html
<オススメアクセス>
京都バス 国際会館バス停 50・52系統 市原経由貴船口・鞍馬行き 市原駅前バス停下車
叡山電車 出町柳駅 鞍馬行き 市原駅下車


【オープンスクールその他日程はこちら】
https://www.kawashima-textile-school.jp/info/2022/08/04/8616
※こちらは個別対応の見学となります

「鑑賞するためのものではなく、使うものにも美が宿っている」 スウェーデン・テキスタイル展を鑑賞して 創作科・福田葉月

専門コースではこのほど課外研修として、西宮市大谷記念美術館で開催されている特別展「スウェーデン・テキスタイル展 暮らしと自然に息づく北欧デザイン6/28まで)を鑑賞。今回特別に学芸員の方よりスライドに合わせてスウェーデン・テキスタイルの歴史や変遷などを解説をしていただいたのち、約250点のカラフルでシンプルで美しいテキスタイルや関連資料を見て、暮らしに息づいたスウェーデン・テキスタイルの魅力に触れました。学生の見学レポートを紹介します。


 住宅街の中に見えてきた生垣に沿って進むと、立派な仕立ての松が覆いかぶさるように迎える。初めて訪れた西宮市大谷記念美術館の入り口の看板には「スウェーデン・テキスタイル」の文字。3月に開催を知った時から、楽しみにしていた展示だ。

 鑑賞の前に、学芸員の下村さんから作品解説をしていただいた。はじめに美術館の概略に触れ、同館の特色として絵画や彫刻だけでなく「デザイン」の価値についても重視していることを知った。誰もが一度は目にしたことがあるだろう工業デザインを手掛けた作家の作品など、いわゆる芸術作品に囚われない収集や展示を積極的に行ってきたそうだ。今回も、北欧と一括りで紹介されがちな中から一国に焦点を当て、スウェーデンのテキスタイルデザインを掘り下げている。
 スウェーデンでは、思想家・教育家のエレン・ケイが提唱した、特権階級のみが享受してきた“美しいもの”は、全ての人々にひらかれるべきものであるという思想「万人のための美」が、テキスタイル産業に携わる多くのデザイナーや実業家にも影響を与えた。対比として、中世の手仕事に立ち戻ることを理想としたイギリスのウィリアム・モリスを挙げており、19 世紀において様々な思想を軸に、各地でものづくりの在り方が模索され、それぞれに特色あるデザインへと繋がっていったことがわかった。

 今回の展示品約250点の内、約8割がサラ・アクステイリウスさんという方のコレクションだという。そういえば、こっそり数種類集めて眺めていた案内チラシの隅に、タイトルやデザイナー名に続いて彼女の名前があったことを思い出す。10代の頃からテキスタイルを収集してきただけでなく、それらを使った洋服を身に着けて楽しんだり、デザイナーが不明になっていたテキスタイルの情報を明らかにしたりするなど、とにかくテキスタイル愛に溢れた人だということが伝わってきた。他にも、展示品借用の為に現地のデザイナー宅に直接足を運んだ際のエピソードなど、展示への期待が高まるお話を聞くことができた。


 最初の展示室へと足を踏み入れると、早速多様な色彩と豊かなデフォルメ表現のテキスタイルに迎えられた。手書きのような温かみのある小さな連続モチーフから、布からこぼれんばかりに開く大輪の花々、壁に鈴なりの果物。続く部屋にも、国土の大部分を森林や湖が占める土地ならではの動物の姿や著名な物語の一場面、スウェーデンの人々が大切にしているお茶の時間「フィーカ」をイメージしたものなど、とにかく幅広いデザインに時間を忘れて見入ってしまった。 暮らしの中にこんなテキスタイルがあったら、自然と気分が高揚するような、日々を楽しくしてくれるデザインに胸が躍る。また、簡略化したモチーフときっちり細部を描きこむ部分とが、一つのテキスタイル上で上手くバランスをとって同居していることも印象的だった。一見シンプルなのに、デザイナーの、この部分の表現は外せない!といったこだわりも現れているように感じた。
 とはいえ、第二次大戦以前のスウェーデンではテキスタイルデザインを外国から輸入する形態が主だったそうだ。テキスタイル専門の教育機関の設立や、インテリア会社のテキスタイル部門の設置など、国内のデザイナーがその役目を担うようになり、戦後多くの素晴らしいデザイナーが誕生、活躍した。3つ目の展示室では、スウェーデンのテキスタイル最盛期を牽引したデザイナーたちが手掛けたテキスタイルを見ることができた。彼らのデザインからは、大胆でありながら不思議と暮らしの中に馴染む洗練された印象を受けた。当時はもちろん、現在でも人々に愛されるデザインも多くあるという。


 最後の部屋には、これらのテキスタイルがどのように使われ、暮らしの中に取り入れられているかを、様々な形で紹介していた。デザインを引き立てるようにシンプルに仕立てられた洋服に、見る人を思わずわくわくさせる手書きのスタイルブック、優美な曲線を描く素敵な椅子に負けないくらい存在感を放って壁を彩るファブリック。ここまで生地として見てきたテキスタイルを暮らしの中に見ると、また違った表情を見せることを実感する。鑑賞するためのものではなく、使うものにも美が宿っているということに、テキスタイル産業の成り立ちを見てきた後では、感慨深さを抱かずにはいられない。そして、スウェーデンにはデザイナーや手工芸に携わる人々を育てる場所がいくつもあり、この先も素晴らしいデザインが生み出され続けるのだろう。


 展示の締めくくりには、“未来へ受け継ぐ”と題したスウェーデンの手工芸やデザインに関わる団体紹介と並んで、昨年スウェーデンへ留学していた先輩の萩原さんが織った作品も展示されていた。以前にも見せていただく機会があったにもかかわらず、会場や展示の趣旨を踏まえて見るとその時とは異なる雰囲気を纏って見える。この会場で改めてじっくり見ることができてよかった。

 見終わった後に残った楽しさや嬉しさは、おそらくこの展示を見た多くの人々と共有できる感覚ではないだろうかと振り返る。「万人のための美」を、身をもって体感したようだった。

展覧会のお知らせ:福田葉月 王今「かたちのあわい」

 

当スクール創作科の福田葉月さんと、修了生の王今(Jin)さんが二人展を開催します。

福田葉月 王今 | 「かたちのあわい」
2026年5月19日(火)〜5月25日(月)
11:00〜19:00 最終日は 17:00まで
Gallery Metabo(京都)
instagram: @gallery_metabo

2026年度入校式「テキスタイルに魅了され、自分自身を表現できる居場所を見つけた」

 4月1日、2026年度川島テキスタイルスクール入校式が行われました。専門コース 創作科(3年次)、福田さんから新入生に向けて歓迎のことばが送られ、新入生 本科(1年次)赤澤さんが代表挨拶を行いました。その内容を続けて紹介します。


在校生祝辞

 

スクール周辺も花盛りで、例年よりも駆け足に、春の訪れを感じる日和となりました。

本科生の皆さん、ご入校おめでとうございます。今日から皆さんと共に学べることを、大変嬉しく思います。

未経験で入校した私にとって、本科での1年間は、文字通り今後続いていく染め、織りとの関係を支えてくれる土台を築いてくれるものでした。知らないことしか無い状態でしたが、どの先生も親身になって指導してくださいますし、クラスメイトはもちろん、学年を超えて、経験値の異なる学生同士、疑問や気づき、悩みを共有して知恵を出し合える環境が、何より助けになりました。

もちろん、時には、うまくいかないことに焦ったり知れば知るほど、知らないことが増えて、終わりがないなと思ったりもするのですが、それが織の面白さだと思えるようにもなりました。幸運なことに、皆さんには10人ものクラスメイトがいて、同じ課題に取り組む中にも、それぞれの感性が写し出される場面が沢山あるとおもいます。

みなさんが持ち寄った、異なる場所で芽生えた織への興味が、スクールでどのように育って行くのか、今から楽しみでなりません。

講師の先生方、スタッフの方々、そして在校生一同、皆さんが生み出す作品を楽しみにしています。これから忙しい日々が始まりますが、心身共に健康で、わくわくした毎日になることを祈っています。

以上、簡単ではありますが、歓迎のことばとさせていただきます。

令和8年4月1日 創作科 福田葉月


 

新入生を代表してご挨拶申し上げます。日ごとに温かさを増し、柔らかな春の日差しが心地良く感じるこの良き日に、歴史と伝統のある川島テキスタイルスクールに入学できることを心より嬉しく思います。

入学式を準備してくださった関係者の皆様、新入生を代表して深く御礼申し上げます。

数年前、テキスタイルという工芸ジャンルに魅了され、自分自身を表現できる居場所を見つけました。

身近に存在しているため、その存在を当たり前と思いがちですが、時に憂や寂しさを晴らしてくれるようなぬくもりを持ったテキスタイルを自分の手で生み出し、誰かや自分の生活を豊かに、穏やかにしたい。

そんな願いに少しでも近づけるよう、織物を主体に素材から製品になるまでの工程を密度高く学ぶことのできる川島テキスタイルスクールへの入学を決断いたしました。

本学での学びを通して、技術と表現力を実直に身につけ、工芸家として、人間として成長していきたいと願っています。

最後となりますが、先生方の熱心なご指導を賜りますようお願い申し上げ、新入生代表の誓いの言葉とさせていただきます。

2026年4月1日 新入生代表 専門コース本科 赤澤


 本科生は初めての授業、基礎織を終え、これから一年通して織物はもちろんのこと、染色・デザインその他多くのことを学んでいきます。
 専攻科(2年次)、創作科(3年次)の学生は、それぞれが積み上げてきたものを土台に、新たにこの一年制作に励んでいきます。

 

展覧会のお知らせ:スウェーデン・テキスタイル展

4月4日より西宮市大谷記念美術館(兵庫)でスウェーデン・テキスタイル展が開催されます。当スクールとHandarbetets Vänner Skolaとの交換留学プログラムのことをご紹介いただいており、当スクールスタッフ、萩原沙季が昨年秋留学中に制作した作品を出展しています。

スウェーデン・テキスタイル展
暮らしと自然に息づく北欧デザイン

日程:2026年4月4日(土)〜6月28日(日)
休館日:水曜日
※ただし4月29日(水・祝)、5月6日(水・振休)は開館、4月30日(木)、5月7日(木)は振替休館
時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場:西宮市大谷記念美術館(兵庫)

巡廻予定:
2026年7月11日(土)〜9月6日(日)名古屋市美術館
2026年9月19日(土)〜11月15日(日)世田谷美術館 ※当スクールの校舎・寮を設計した内井昭蔵氏設計

これまでの交換留学生によるマンスリーレポートはブログ「交換留学」より読むことができますので、ぜひご覧ください。

修了生の声:「それでも、アートやテキスタイルは私が本当に好きなもの」王今(Jin)

 3月13日、2025年度川島テキスタイルスクール修了式が行われました。修了生の一人で、技術研修コースを修了した王今さんの答辞を紹介します。


皆さん、このたび、修了おめでとうございます。

私は2023年10月に川島テキスタイルスクールに来ました。
気がつけば今は2026年で、時間が過ぎるのは本当に早いと感じます。

私が最初に川島テキスタイルスクールを知ったのは、とても偶然のことでした。

2022年の春、私は京都に旅行に来ていました。街を歩いているときに、たまたま修了展のポスターを見つけました。それがきっかけで、美術館に行ってみることにしました。

その頃、私はちょうど通っていた美術大学の卒業展を終えたばかりでした。川島の修了展を見たとき、大学の卒業展とは全く違う雰囲気だと思いました。

大学の卒業作品は学校の異なる場所に置かれていて、織物以外の作品も多く、作品の第一印象のインパクトを大切にしているような感じ。川島の修了作品は、美術館の空間の中に綺麗に並び、とても繊細で、生活の中にある織物の存在に近いものだと感じました。そして、立ち止まって長い時間見ていたくなる作品が多いと思いました。

最初はポスターをきっかけにこの学校を知りましたが、今年度は自分の作品がポスターとして使われることになりました。思い返すと、いいサイクルのようにも感じます。

修了展を見たとき、私は心の中で「ここで勉強したい」と強く思いました。
しかしその時はすでに中国に帰る予定が決まっていて、良い仕事の機会もありました。

帰国して仕事を経験しましたが、やはり自分の作品を作り続けたいという気持ちが強くなりました。そして、一度も見学をしないまま、川島の技術研修の半年コースに申し込みました。

学校にいる間、私はあまり多くを話すタイプではありませんでした。でも先生方や周りの人たちはとても優しく、温かい人たちでした。

子どものころから、家族が私の人生の道を決めていました。自分の考えを持つことや、自分の好きなことをすることは、私にとって簡単なことではありませんでした。
それでも、アートやテキスタイルは私が本当に好きなものです。そしてこれからも、続けていきたいと思っています。

川島テキスタイルスクールには本当に感謝しています。

織っている時間は、世界が静かになり、自分の心も落ち着きます。ここで私は、織物の技術だけでなく、多くの大切なことを学びました。

最後に、皆さん、これからもお元気で、毎日楽しくお過ごしください。


 王さんは東京の美術大学を卒業後、中国に帰国。2023年、「綴織を学びたい」「大きな作品をつくりたい」という志をもって技術研修コースに入学しました。綴織専門の講師のアドバイスを受けながら、一年半の期間で綴織タペストリー、綴織とノッティングの3部作、綴織パネル作品を制作。タペストリーは「第8回学生選抜展」で田中直染料展賞を受賞しました

 その後、一旦中国に戻って働いてから再来日。「学んだ技術を体系的に整理し、自立して制作できるようになりたい。この学校で大型タペストリー作品を完成させたい」と、2025年に技術研修コースを再受講。12星座をモチーフにした大型タペストリー制作を成し遂げ、作品は修了展のポスターにも採用されました。
 星々のめぐりが色とりどりに織り込まれた、リズム感のあるエネルギッシュな作品には、会場を訪れた人々に元気を与えてくれるような力がありました。

 志を貫き、修了展会場で「大満足」と満面の笑みを浮かべていた王さん。その後の修了式の答辞では、これまで内に秘めていた思いを語り、時に涙で言葉を詰まらせながらも堂々と話しきった王さんの姿に、会場の学生や教職員も胸を打たれました。

 これから王さんはアーティスト名「Jin」として、本格的に作家活動を始めます。展覧会など精力的に行う予定ですので、今後の活動にぜひご注目ください!
Instagram:jinjimoon_art

修了展ご来場のお礼

2025年度修了展(2月25-3月1日)が無事に終わりました。会期中の様子や作品についてはinstagramの過去の投稿でご覧いただけます。多くの方々にご来場いただき、ありがとうございました。